近況報告。社長業の幸福なやりがいをあらためて。

投稿日:2018年3月5日

近況報告でございます。

いやはやブログの更新はなんと1年半ぶり。
久しぶりに会う人からは「最近何やってんすか」「会社には行ってるんですか?」とかよく聞かれます。
いやいやもうめっちゃ真面目に出社して社長業をやってますよ。

ここ最近は、私自身も、組織も、大きな変革を行っていました。
社員数を50人にしていくことを2年前に決めたものの、クオリティはもちろん下げられないどころか一層高めなきゃならん、同時に目の前の売上げも利益もあげていかなきゃいけない、そうこうしてるうちに人手不足の採用環境はどんどん進む、などなどでいろいろなことがありました。
現在は、なんとか社員数40人規模までにはなり、50人の壁も今年中には超えることを目指しています。
簡単に言えば、ブログを書いてる暇がまったくないほど社長業にうちこんでたわけですが、この1年半ほどでの私自身の変化と、どんな組織作りにとりくんできたのか、をご報告いたします。

1,セミナー講師とコンサルタントを完全にやめてみた

約1年半前より、私自身のいわゆるセミナー講師業は一切行わないことにしました。また、私が担当として行っていたコンサルティングもすべてお断りをしました。
自分自身でマーケティングを行いつつ、研究を行い、事例をまじえつつセミナーで多くの人にそのノウハウを使って、集客の成功をしてもらう、というインハウス支援の役割を10年以上やってきたことになりますが、これをボードメンバーの石川と松田にすべて引き継ぎました。
いわゆる組織を成長させ、かつサービスクオリティを上げるための社長業に専念することにしたわけです。

背景には、運用型広告の代理事業が伸びていたものの、高度化・複雑化がいっそう進み、代行業としての損益分岐点がかなり高くなってしまったことがあります。難易度の高いマーケティングの実現を現場に要求しつつ、スピード感を持ったまま組織を成長させるためには自分自身が講師業やコンサルタント業を平行していては達成できないと判断しました。

一昨年秋に、組織変更をガラっと行い、私が社長と広告代理事業の部長を兼任することをはじめました。結果的に「社長→マネージャー→メンバー」とチーム体制が3階層となり、私が下した意思決定の伝達スピードの効率化が大きく進みました。

2,社名変更とロゴの刷新

体制を変更してからまず手がけたのが、社名変更とロゴの刷新です。
社名は「研究所」を取り去ってシンプルにしました。ロゴは広告代理事業を伸ばしていく覚悟の節目としてイメージも明るくできたと思いますし、新しいデザインもとても気に入っています。情熱のredと知力のblueは、まさに私の人生のテーマカラーなのです。

ロゴ

元のロゴは私が自分でフォトショップで適当につくったもの。まあよく10年以上も使っていたと思います。思い出いっぱいで名残おしくもありましたが過去の自分とおさらばしなければ変化はできませんね。

3,九州佐賀支社の立ち上げ

次に手がけたのが、九州佐賀支社の立ち上げでした。
現在の運用型広告の成功の要素のひとつが、「ミスのない正確なオペレーション」です。
ときには何万項目にもわたるような大規模アカウントを1年365日止まることなく運用しつづけ、改善のサイクルをまわしつづけるのは、担当者のソロプレイだけではなく、チームとしての設定・確認作業が必須となっています。
オペレーションチームを別部隊として持つことで、役割の明確化と効率化を目指しました。

佐賀県・市の皆様の多大なる協力もいただいたおかげでほぼ採用コストをかけずに10名の優秀な社員を現地採用でき、立ち上げリーダーが成果をあげ、すでに1年以上が経過し計画よりもかなり早く軌道に乗せることができました。現在では現地採用のリーダーがしっかり機能し、活躍してくれています。

今後佐賀も拡張していきます。新卒もさっそく今年の春に3人入ります。

4,営業部隊の立ち上げ

これまでキーワードマーケティングはインバウンド(問合せ)からの集客だけで広告運用代理事業を拡大してきましたが、昨年から営業部を発足させ、あえてインバウンド集客施策を行わず、アウトバウンド集客のみで案件を獲得していくことをはじめました。これは様々な理由があるのですが、一番大きい課題だったのは「インバウンド集客だけだと井の中の蛙になりやすい」ということでした。

法人顧客の獲得において、インバウンド集客にはメリットはもちろんたくさんあります。情報発信などで信頼をすでに勝ち得た顧客がら声をかけてきてくれるのですから、成約もスムーズに進みますし、信用獲得のためのコミュニケーションコストもとても低く済みます。支払いのトラブルなども皆無です。

反面、組織育成という観点で見た場合、インバウンド集客だけだと、「顧客は問合せしてきて当たり前」「うちの会社を信用してくれて当たり前」「お金を払ってくれて当たり前」となりがちで、「自分たちの存在価値が市場全体からはどのような評価を得ているのか正しく感じられない」「信頼関係がまだ浅い顧客との対応スキルが伸びない」といったデメリットがあります。顧客の信用度が高すぎて「本来クレームを出して当たり前のところ、顧客が我慢しつづけていた」といったケースすらありました。

この変更は、簡単にいえば「厳しいお客さん」が増えることになるため、社内の反発もありましたが、結果的にはよい緊張感を持てるようになり、よい刺激になりました。信用が最初はなかった顧客に対して、懸命によさを伝えて成約させ、ハードルの高い目標の成果を出し、誠実に説明責任を果たし、困難をともに乗り越えてよい関係が築けるようになる経験をしたことは、メンバーの成長にもつながったと思います。また、新マネージャーのがんばりもあり、イベント集客やテレアポを通じて新規客を能動的に獲得するノウハウもふんだんに得ることができました。

今後もインバウンドとアウトバウンドはどちらも実行可能なチームを目指していきます。

5,広告運用の仕組みづくり

個人の力量だけに頼らないチームでの広告運用体制づくりをめざして、運用マネージャーがフル回転でここもいろいろ力を入れました。
広告運用を受託する場合は、もちろん担当者がつくことになりますが、別の担当者に引継ぎを行ったり、あるいはクライアントの方でも担当者が変わることもよくあります。こういった時に過去の経緯や、戦略の変更などを遡って理解するような仕組みをつくるのは、変化の激しい運用型広告においてはかなり難易度の高いことです。長いおつきあいになると本当に10年以上広告を依頼続けていただいている案件もあり、要するに担当しかわからない、ということがどうしても増えてしまうわけです。

他人が見てすぐにわかるアカウント構造、といった基本以外にも、経緯やレポートを記録していく仕組みや、その時々のクリエイティブ作成の元となるターゲティングや訴求ポイントといった管理画面に残らない情報を整理していく体制作りをすすめました。
外部ツールはほとんど使わず、APIとGsuite(旧GoogleApps)で独自に開発したシステムで、直近パフォーマンス管理やレポート作成を効率化するだけでなく、「広告運用の歴史の管理」ができるようにしていきました。

このへんはまだまだ理想の50%といったところですが、大きな刷新となりました。今後も順次整えていきます。

6,社員教育の率先

未経験者をスキルある人材に育成し、価値を高めてあげるのは最も大事な課題といえます。特に新卒社員は入社数ヶ月は研修が最大の仕事となります。以前は外部講師を依頼したり、外部セミナーに行かせたりということをよくしていたのですが、基本的な社会人スキルを除いては、すべて社内で研修をすることにしました。ほとんどの研修を私自身が行うこととし、教科書を整え、毎週1~4回以上の講義をする仕組みとしました。

社内研修というのは、忙しい時はおざなりになりがちなのですが、「一切の欠席は認めない」というポリシーで運用し、時間も朝イチで行うなどの工夫をしました。
社員教育は、新卒だけではなく、中途社員も当然行うものであって、入社時期がバラバラな場合の対応などもツール導入などで順次克服していきました。

結果と今後の課題

上記の他にも、「評価制度の刷新」「社内ルール(規律)の整備」「マネジメント方法の変更」などなど、いろんな改革を行いました。
変化によって一時的にメンバーの離職も増えましたが、結果的には残ってくれた精鋭社員たちのがんばりもあり、業績でいえば直近半年以上、売上利益の過去最高を更新し続けることができています。価値を出している以上安易な値引きはしないというポリシーの元、手数料率は30%以上あがり、広告取扱高などのKPIも前年対比125%以上を達成できるようになりました。さらに残業時間はついに平均10時間以下にまで下がってきました。

じゃあ、順風満帆かといえばそんなことはありません。質と量の両方に高い目標を掲げている以上、どこの会社でも同じでしょうが課題は常に山積みです。
とくに東京での採用および離職防止は、かなり難しい課題になっています。よもや事業で売上や利益をあげることよりも、人員確保のほうが難しい世の中になるとは想像すらできていませんでした。正直、心折れそうになることもしばしばなのですが、採用難の厳しい環境はどこの会社でも同じ。言い訳にせず、必ず克服していきます。

いろいろ辛いことも、憂鬱になることもあります。心から安心して喜びとともに枕を高くして眠れる日なんて、365日のうち本当に5日くらいのものです(成長企業の経営をしていれば誰でもそうでしょう)。しかし、やはり社長業というのは、やりがいという点で、この世でもっとも幸福な職業であると心から感じています。

「Life is a game」。所詮人生なんて、自分が自分で選択をし続けた結果のゲームにすぎません。大きな困難を超えた先には、大きな喜びがあります。難易度の高い課題を乗り越えつつ楽しんでやっていきます。
チャンスをいつもいただいているクライアント、がんばってくれてる社員たち、協力いただいている関係者、リスティング業界の仲間、経営者の友人達に感謝しつつ、本年も気合い入れてやっていきますんでどうぞよろしくです。

近況報告でした。


プロフィール

  • 滝井秀典
  • キーワードマーケティング 代表取締役。検索キーワード広告(PPC、リスティング広告)の研究、実践、教育をしています。会社の方では運用代行など。

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  • 株式会社キーワードマーケティング

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