自動化がどんどん進む。Googleアドワーズのプロポーザル機能
少し前の話になりますが、
Googleアドワーズが、「プロポーザル(提案)ツール」というものを出しています。
右上にウェブページのURLアドレスを入れるだけで、
(国名、キーワードなどは空欄でもOK)
・登録キーワードの候補(20個くらい)
・一ヶ月の広告予算に応じた広告表示回数、クリック数の推定数
を自動的に出してくれるなかなかの優れものです。
以下は、
「ホームページビルダー(作成ソフト)の販売ページ」
のURLアドレスを入れた事例です。
●よいと思われる点
「このウェブページだと、どんなキーワードが候補で、
月額どれくらいの予算で、どれくらいのクリック数が見込めるか」
というのが、
数秒で出てくるわけですから、
自社で広告を出したい人にとっても、
代理運用をされている人にとっても、
ざくっとした目安が欲しい人にはよいツールですね。
時間がないときの営業提案場面にもさっくり使うこともできますね。
さらに言えば、
コンバージョン率を1%と仮定すれば、
「クリック数×100分の1」が、推定コンバージョン数となりますので、
「どのくらいの予算を用意したら、
どれくらいのお客さんの申込みを得られるか」
というところも、
ざっくりシミュレーションできることになります。
その他、このツールのすばらしい点は、
「スピード」でしょう。
・ウェブページのテキストの読み込み
↓
・キーワードの抽出
↓
・広告として出すべきキーワード候補の抽出
↓
・入札単価、検索数の抽出
↓
・予算レベルごとの表示回数、クリック数の推定数値表示
といった、
かなり複雑なデータの取り出し・演算をしているはずですが、
これらがすばやく、
5秒程度で出てくるのは驚きです。
●注意点
使用時の注意点としては、
クリック率は5%前後で計算されているところです。
これはクリック率としては高い水準になりますので、
実際はもう少しクリック数は少なくなると思います。
また、
キーワードの候補としては、
「検索数が1万件以上のビッグキーワードで、かつクリック単価が200円を超える」
といったキーワードは、
候補に上がりにくい傾向にあります。
上記の例では、「ホームページ作成」などですね。
これとは逆に、
「確実にお客さんが取れそうな検索数千件以下のニッチキーワード」
も候補にはあまり出てきません。
上記の例では、「ホームページビルダー体験版ダウンロード」などでしょうか。
このままの状態で、
申込みをしても高い費用対効果は得られにくいとは思いますが、
Googleがキーワード登録や入札、広告文のサポートをしていくんでしょうね。
●自動化というGoogleアドワーズの方向性
このプロポーザルツールに限った話ではないですが、
Googleアドワーズは、
確実に、
「自動化」
という方向性をめざしています。
めざす極論の姿はおそらく、
「ウェブページのURLアドレス」
「月額予算金額」
「クレジットカード情報」
の3点だけを入力してくれたら、
Googleがお客さんを適切なCPA(顧客獲得コスト)で連れてきます、
というモデルでしょうね。
広告主にとっては楽でいいですが、
このようなモデルが実現していくと、
広告運用代行、
というビジネスモデルが成り立たなくなってくる心配があるでしょう。
実際には、
「広告文」
「ランディングページ」
といったクリエイティブな部分が、
キーワード広告では最終的な売上げと利益を決める大きなファクターとなりますので、
いわゆる広告代行業というものがなくなることはないと思います。
ただ、
Googleがめざす方向性というものは明らかで、
年々その自動化の精度はあがってきています。
広告主も、代行運用する業界人も、
この流れをどう読むかが、
今後の事業の成功の鍵をにぎるでしょう。