「負けて当たり前」から「一歩も引かない」へ。

投稿日:2010年6月30日

昨晩のワールドカップサッカー、
日本×パラグアイは、
惜しいゲームだった。

勝つチャンスは十分にあった。
それだけに悔しさが倍増だ。

しかも、
決勝リーグにおいて、
ブラジル、イタリア、オランダ、ドイツ、アルゼンチン、
といった「名前だけで」圧倒されるような対戦相手ではなく、

「もしかしたら勝てるかも」
と思えるような相手にあたることが、
今後ワールドカップでそうそう起こることとも思えない。

50年に一度くらいの大チャンスだったのでは、
と思うと、
失ったものの大きさに肩を落とさざるを得ない。

(ウルグアイのベスト8進出は、
40年ぶりだった)

ただ、
同時に、

「日本ってこれくらいだよね」

とも思う自分がいる。

多くの人も、
そう思ったのではないか。

ワールドカップに熱狂した人たちのほとんどは、
Jリーグの試合を毎週見るわけでもなく、
サッカーを盛り上げるための貢献に、
いつも参加しているわけでもない。

日本のリーグでは、
ブラジルやコロンビアのように、
サッカーの勝ち負けで死人が出るようなこともない。

パラグアイは、
2008年~2009年の南米予選において、

ホームで、
ブラジルを2-0で、
アルゼンチンを1-0で破っている。

アウェーのアルゼンチン戦でも、
1-1の引き分けに持ち込んでいる。

「世界一楽なワールドカップ予選」
と揶揄されているアジア枠の日本が、

アルゼンチンと、
ブラジルに完封勝利を収めた上で、
ワールドカップに出場しているパラグアイに、

やはり、
勝ってはいけないような気がするのである。

しかし、今大会の日本代表は、
本当に、
すばらしかった。

ワールドカップにおいて、

「負けて当たり前の国」

から、

「勝てないまでも、強豪国相手にも一歩も引かない国」

には昇格した、
と言えるのではないか。

金子達仁さんは、

「自分が死ぬまでにW杯で優勝する日本が見たいし、それは可能なことだとも思っている」

と90年代から言っていた。

サッカーほど、
フェアで誰にでもチャンスがあるスポーツは、ない。

持って生まれた身体能力が問われるのならば、
アメリカやアフリカが常に強豪であるはずだ。

しかし、
そうはならない。

ワールドカップ史上、
もっとも記憶に残るシーンを演出して、
伝説となっている、

ディエゴマラドーナの身長は、
わずか166cmだった。

寒い国や暑い国によるハンデもない。
国の経済力もあまり関係がない。

しいていえば、
人口の多い国が若干有利か、
という程度のものだ。

日本が、
バスケットボールでアメリカを破ったり、
ラグビーのワールドカップで優勝する、
というのは、
残念ながら途方もない夢でしかない。

しかし、
サッカーは違うのである。

私も金子さんの意見に賛成である。

大事なのは、
目標を定めて、
あきらめずに、

着実に実力をつけていくことだろう。

ベスト4や決勝進出も、
決して夢ではない。

多くの人も、
そう思ったのではないか。

私たちが本気でそう望むのならば、
私たちは、

Jリーグの試合に足を運び、
日本のサッカーに少しでもいいから、
貢献をすべきだろう。

何の投資もせずに、
リターンを求めるのはフェアではない。

子どもたちが、
「Jリーグでプレーすることは、
 生涯をかけて、命をかけてやるべきものだ」
と確信をもてる、
環境をつくるべきだろう。

その一歩一歩が、
未来での、
ワールドカップでの勝利の興奮に近づくはずだ。

プロフィール

  • 滝井秀典
  • キーワードマーケティング 代表取締役。検索キーワード広告(PPC、リスティング広告)の研究、実践、教育をしています。会社の方では運用代行など。

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