失ってはじめてわかるつらさ。

投稿日:2008年5月10日

休日の雨は、憂鬱である。
今の私にとっては、ことさらこたえる五月雨だ。

自分の望むことができず、
行動が制限され、ただ待つしかない状態というのは、
耐え難い時間である。

しかし、自分がコントロールできない事に対して、
悩んでいてもしかたがない。

そこで、
晴耕雨読の原則にのっとり、
しっかり読書をすることにした。

私が今、かかえている最大の課題は、
は人間関係の構築である。

もともと私は、口頭のコミュニケーションが
苦手なオタクなので、
ともすると人間関係づくりをおろそかにしてしまいがちなのだ。
そして、思いもよらぬトラブルを招いてしまうことも。

今日読んでいるのは、これ↓

2日で人生が変わる「箱」の法則

この本によると、
人間関係のトラブルのすべては、「自己欺瞞」から発生するそうだ。

「自己欺瞞」というのは、
手っ取り早くいうと「自分の気持ちを裏切ること」である。

たとえば、友人のために、
なにかをしてあげたい、と思う。

しかし、その自分の気持ちを裏切り、背くと、
自分の裏切りを正当化するために、
友人の欠点や悪い点を過大に見るようになる。
現実がゆがむ。

それだけでなく、
自分が正当化されるために、もっと友人が悪くならなければならなくなる。
驚くべき事に、
自己欺瞞からの正当化がはじまると、
なんと、もっとも自分が望んでいない「問題」が必要になってしまう。

つまり、
子供が万引きをしたり、
社員が問題を起こしたり、
配偶者とトラブルが起こったり、
するのは、

自分の自己欺瞞の産物である、という、
ある意味恐ろしい理論である。

例えば、こういうケースだ。

夫婦が夜寝ているとき、
赤ちゃんが泣き出した。

夫はその泣き声で起きたが、妻は昼間の家事や育児で
疲れていて、起きる気配がない。
夫は、
「妻は昼間の家事で疲れてるんだな。
おれが赤ちゃんをあやさなきゃ」と、一瞬思う。

しかし、自分も疲れを感じて、おっくうになり、
「相手をいたわる自分の気持ち」を裏切り、
自己欺瞞がはじまる。

自分の気持ちを裏切ると、
自己正当化のためには、相手が間違ってなければならない。
そして、相手の欠点を過大に見るようになる。

「おれだって仕事で疲れているのに、
赤ちゃんをあやさないなんて母親失格だ」

「もともと妻は子供に冷淡だった。
 だから起きないんだ。おれがこんなに苦労してるのに!」

こんな具合に。

そして、
自分の裏切りが正しいためには、
現実に、「相手が間違っている」ことが必要になる。

そして、それが現実になっていく。

つまり、「問題のある状態」をつくっているのは、
ほかならぬ、自分であって、
相手の欠点を過大に見るようになったのは、
ただただ、
自分の気持ちへの裏切り行為によるもの、
ということだ。

「他者を助けてあげたい、という気持ちを裏切る」

「そして自己正当化のために他者を過大に批判する」

というパターンは、
多くの人が思い当たるのではないだろうか。

他人がもたらした厄災も、
他人を変えようとしてもうまくはいかない。

なぜなら、それは自分が生み出したものだから。

他人を変える前に、
自分を変えなければならないわけだ。

そうなれば話ははやい。

いままで、相手にしてあげようと思い、
その思いを裏切ってきたことを、
裏切らずに、素直にやればいいだけだ。

失ってはじめてわかるつらさ、
というものを心引き裂かれるほどに感じるときが、
人生には何年かに一度、必ず訪れる。

「問題は神様がくれたプレゼント」。

この問題からしっかり学び、

「あのときの深刻な問題は、形を変えた”神様からの贈り物”だったんだね」

と笑いあえる日が来るように、
人生がつきつけるこの挑戦から逃げることなく、
責任をもって、生きていきたい。

そんな情熱の炎をゆらすには、
あまりにもブルーな、、
まるで天の女神が悲しみの涙を落としているかのような、
静かな休日の午後でした。

プロフィール

  • 滝井秀典
  • キーワードマーケティング 代表取締役。検索キーワード広告(PPC、リスティング広告)の研究、実践、教育をしています。会社の方では運用代行など。

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